第21回夏パラバレーボール選手権大会レポート

 2018年8月4、5日に、台東リバーサイドスポーツセンターで第21回夏パラバレーボール選手権大会が開催された。バレーを続けて10年、初めてパラバレーボール(座位)を観戦しにきた。
 パラバレーボール(座位)は、座ったままプレーするバレーボールでパラリンピックの正式種目に採用されている。国際的には主として身体障がい者のスポーツとして普及しているが、日本では幅広い身体レベルの人が行えるスポーツとして広く知られている。

“誰でも”一緒に取り組める競技

  体育館の入り口に近づくと、聞き慣れたバレーボールの弾ける音、チームの掛け声が聞こえてくる。足を踏み入れてみると馴染み深いバレーボールの大会の雰囲気がそのままに漂っていた。違うのは、選手たちが全員座っていて、シューズが床に擦れる「キュッ、キュッ」という音がしないこと。
 今回の大会には28チームが出場しており、親善大会的な要素もあって健常者のみのチームも参加していた。
 試合を観戦していて、ぱっと見にはどの人も障がいがあるようには見えない。挨拶で立った時、タイムアウトで立ち上がって集合する時になって、ある選手の片足がないことに気づく、というふうであった。また各チームの年齢構成はバラバラで、子供から大人まで混ざって参加していた。そのくらい、パラバレーボール(座位)は、“誰でも”一緒に取り組める競技なのだと感じた。

バレーボールと同じようで、同じでない

  バレーボールよりもコートが狭く人の距離が近い分、ボールの動きが早い。上下の動きこそないが、試合の展開はバレーボールとなんら変わらないテンポや威力が感じられるものであった。脚を動かしてボールの落下点に回ることができない分、腕や手でのボールコントロールの技術が必要とされる。片手でも的確な位置にボールを上げる技量が問われていて、身につけるべきコツや技巧はバレーボールとはまた違ったものがあるように感じた。
 バレーボールと同じようで、同じでないパラバレーボール(座位)の魅力を知るべく、ぜひ私も体験してみたいと思った。一度大学のバレーサークルで試してみるのも面白いかもしれない。

今年の12月10、11日には武蔵野市で日本選手権大会が開催される。今大会よりも緊迫とした大会になると予想される。より迫力のある試合が観れるのか楽しみである。

(筑波大学 パラサポ広報インターン 篠原美奈巳)